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chapter60 都道府県別 自然放射線量

知ってた?福岡・九州

第60回

chapter60 都道府県別 自然放射線量

昨年の3月11日の東北地方太平洋沖地震から1年。復興対策と同じくらい、原発地域やその周辺の放射線量が日々注目されています。

 

今回の事故により放射線量は地域によって大きく差が開くことになりましたが、もともと自然界には放射線があり、地域によってその量に差があります。

 

そこで今回『知ってた?福岡』は、

 

~ 「都道府県別 年間自然放射線量 [ 1988年 ]」 ~

 

と題して、各都道府県で1988年時点で自然放射線量を見てみたいと思います。福岡県の年間自然 放射線量はどのくらいでしょうか?また、福島原発事故後はリアルタイムで各都道府県の放射線量を見ることができるWEBサイトもありますので、それと比較 して放射線量に対する判断基準の一つとなれば幸いです。


人体への放射線の影響度を数値化した単位「シーベルト」

「都道府県別 年間自然放射線量」を見る前に、放射線量の単位について整理します。

 

よく放射線量についての報道では「毎時400マイクロシーベルト」とか「年間1ミリシーベルト」など、似たような単位が混在しており、数値の大小が判断しにくいと思いませんか?

 

放射線量について、ある期間に放射線に被ばくした量の合計をシーベルト(Sv)と言います。1シーベルトは、ミリ単位にすると1000ミリシーベルト(mSv)で、マイクロ単位にすると1,000,000マイクロシーベルト(μSv)になります。

 

つまり、1ミリシーベルトを基準にすると、下のようになります。

0.001シーベルト
(0.001Sv)
1ミリシーベルト
(1mSv)
1,000マイクロシーベルト
(1,000μSv)


例えば「毎時400マイクロシーベルト」といえば「1時間で400マイクロシーベルト(=0.4ミリシーベ ルト)の放射線を被曝した」ということになります。同様に「年間400マイクロシーベルト」といえば「1年間で400マイクロシーベルト(=0.4ミリ シーベルト)の放射線を被曝した」ことになり、これを毎時に換算すると「毎時0.046マイクロシーベルトの放射線を被曝した」ことになるわけです。

 

放射線量の単位がミリシーベルトなのかマイクロシーベルトなのか、放射線を被曝した期間が1時間あたりなのか年間なのか、そのあたりを把握すると空中の放射線量の大小が判断できるかと思います。


都道府県別 年間自然放射線量 [ 1988年 ]ランキング

前置きが長くなりましたが、それでは「年間自然放射線量」を見ていきます。

年間自然放射線量ランキング
単位:年間ミリシーベルト(mSv/y)
順位 都道府県 自然放射線量
  全国 0.99
1 岐阜県 1.19
2 香川県 1.18
3 福井県 1.17
4 滋賀県 1.16
5 愛媛県 1.13
6 福岡県 1.10
  高知県 1.10
8 兵庫県 1.09
  愛知県 1.09
10 石川県 1.08
  大阪府 1.08
12 岡山県 1.07
  広島県 1.07
  和歌山県 1.07
15 佐賀県 1.06
  鳥取県 1.06
  三重県 1.06
  栃木県 1.06
  新潟県 1.06
20 富山県 1.04
  福島県 1.04
22 宮崎県 1.03
  京都府 1.03
  山口県 1.03
25 奈良県 1.02
  茨城県 1.02
  長野県 1.02
28 島根県 1.01
  大分県 1.01
30 長崎県 1.00
31 秋田県 0.99
  徳島県 0.99
33 熊本県 0.98
  鹿児島県 0.98
35 静岡県 0.96
36 沖縄県 0.95
  山形県 0.95
38 宮城県 0.94
39 群馬県 0.92
40 東京都 0.91
  北海道 0.91
  岩手県 0.91
43 埼玉県 0.90
  山梨県 0.90
45 青森県 0.86
46 千葉県 0.85
47 神奈川県 0.81
放射線医学研究所
「放射線科学 Vol.32,No.4,1989」
データは1988年のもの

自然放射線から受ける線量

自然放射線量は宇宙・大地・食物摂取・大気中のラドン吸入の4つに分類されますが、このランキングではそのうちの大気中のラドン吸入は含まれていない数値と なっています。また、データは1989年現在のものなので、2011年の東北地方太平洋沖地震による原発事故の影響は受けていません。

 

年間自然放射線量で最も多いのは岐阜県で1.19ミリシーベルト。次いで香川県1.18ミリシーベルト、福井県1.17ミリシーベルト、滋賀県1.16ミリシーベルトと続きます。

 

福岡県は高知県と並ぶ第6位で1.10ミリシーベルト。日本全国平均が0.99ミリシーベルトなので、平均値よりは高い数値となっています。

 

一方で年間自然放射線量が最も少ないのは神奈川県で0.81ミリシーベルト、次いで千葉県 0.85ミリシーベルト、青森県0.86ミリシーベルトとなっています。最も受ける量の少ない神奈川県と、最も高い岐阜県を比べると、岐阜県のほうが1年 間に約1.5倍も多く受けています。


自然放射線量は「西高東低」の傾向

このように、日本全国で自然放射線量は西日本のほうが東日本より高い「西高東低」の傾向となっています。

 

地域によって自然放射線の量に差があるのは、地域によって地質などが異なるからです。西日本には放射能(放射線を出す能力)を持つ花崗岩が高濃度に含有されています。そのため大地からの放射線の量が多くなるのです。

 

特に中国・四国地方の瀬戸内海沿岸や中部地方の内陸部には花崗岩が多く、その地域の都道府県では自然放射線量が多くなっています。

 

また関東地方は火山灰からできた関東ローム層に厚くおおわれているため、自然放射線量が低いと言われています。


世界の自然放射線量も地域差がある。日本の自然放射線量は比較的低い

日本の年間自然放射線量の平均は0.99ミリシーベルトで、0.81~1.19ミリシーベルトの間で分布しています。これは世界規模で見れば低い数値。世界中の年間自然放射線量の平均は2.4ミリシーベルトであり、日本の平均値より2倍以上高いのです。

 

中でもイランのラムサールは年間自然放射線量が10.2ミリシーベルトもあり、他にもブラジルのガラパリは5.5ミリ シーベルト、インドのケララは約3.8ミリシーベルトなど、世界的に見ても放射線量の多い地域があります。これらの地域は地質的に放射線を出す岩石が多い と言われています。

 

これらの高自然放射線地域での健康への影響についてですが、2009年に報告されたブラジルとインドの高自然放射線地域における住民の健康調査によると、住民の健康への影響は認められないという結果が出ています。

 

なお放射線量と健康への影響については年間200ミリシーベルト以下でも問題がないという意見もある一方、1ミリシーベルト以下でも低放射線を長期間浴び続けることには問題があるなど意見が分かれています。

〔更新日:2013年12月01日〕

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