chapter57 福岡県はガソリンが高い? 都道府県別ガソリン価格ランキング

車の利用者にとって、いつも気になるガソリン代。遠出して他県でガソリンの給油をしなければならない場合、あなたは普段使っているガソリンスタンドと比べて「安い」と思うことが多いですか?それとも「高い」と思いますか。
ガソリン価格には地域差があることはよく知られていますが、では福岡県のガソリン価格は全国的に見てどの程度なのでしょうか。
そこで今回『知ってた?福岡』は、
~ 「福岡県はガソリンが高い? 都道府県別ガソリン価格ランキング 」 ~
と題して、都道府県別ガソリン価格ランキングをご紹介します。そもそもガソリン価格はどのようにして決まっているのか?どうしてガソリン価格の地域差が出 るのか?といったことも含めて、福岡県のガソリン価格について見て行きたいと思います。
九州はガソリンが高い?上位10位内に5県がランクイン。福岡県は8位。
ガソリンの小売価格は石油情報センターという機関で毎週調査されています。その調査データの中から2009年3月7日~2011年9月20日までの直近約2年半で、都道府県別のレギュラーガソリン小売価格の平均をランキングにしたのが下の表です。
ここ2年半でレギュラーガソリンの価格が最も高いのは長崎県で142.3円、2位は鹿児島県で141.2円、3位は島根県で139.7円と続いています。
九州は比較的レギュラーガソリン価格が高いようで、全国平均価格び135.5円よりも1円以上高い県が、長崎・鹿児島・大分・佐賀・そして福岡の5県となっています。(福岡県は136.9円で第8位。)
一方、レギュラーガソリンが最も安いのは沖縄局130.9円、次いで茨城県132.2円、香川県132.2円となっています。
価格の安い地域は東日本・西日本と入り混じっていますが、茨城・千葉・埼玉・群馬・栃木・神奈川など東京を除く関東圏の地域が多いようです。
ガソリン小売価格の地域間格差

タンクローリーがひっきりなしに出入りする
レギュラーガソリンの小売価格が最も高い長崎県と最も安い沖縄局との差は、1リットルあたり11円にもなります。なぜ地域によってこんなに差が開くのでしょうか。
これにはいくつか理由があります。
一つは沖縄県についてです。
沖縄県は本土よりも税金が1リットルあたり5.5円安くなっています。これは「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」と「沖縄県石油価格調整税条例」に規定されているためです。
二つ目はガソリンの輸送コスト。
タンカーで輸入した原油は、製油工場で精製されると、油槽所に一時的に貯蔵され、そこからタンクローリーに積み込まれて、各ガソリンスタンドに輸送されます。
また、最近では物流の効率化のために、製油工場からそのままタンクローリーで各ガソリンスタンドに輸送されることも多くなっています。
このような製油工場や油槽所から距離の遠い地域や山間部、離島などは、当然輸送コストが高くなるので小売価格に上乗せされると言われています。
長崎県や鹿児島県は離島を多く持つ県であるため、その分のガソリン代が、県内のガソリン小売価格の平均を押し上げているのかもしれません。

スタンド間での過当競争が行われています
そして三つ目は、各ガソリンスタンド間での過当競争です。
ガソリンスタンドが密集している幹線道路沿いなどはライバルの価格を参考に価格決定されるので、赤字覚悟の価格で販売しているケースが多々あるようです。
また最近では従来の石油販売の看板を掲げるガソリンスタンドに属さない、ショッピングセンターに併設されるようなガソリンスタンドが、大量販売を武器に安い価格で仕入れて最安値で販売するケースもあります。
多くのガソリンスタンドが密集したり、新手のガソリンスタンドが台頭したりするような地域とそうでない地域とでは、ガソリン価格に差が生じてくるのです。
今後もガソリン価格は地域によって差が生じるでしょうが、それは都道府県別といったおおまかなくくりというよりは、同一県内であっても多くのガソリンスタ ンドが競合している地域とそうでない地域といった、より細かな地域特性に基づくものになるといえそうです。
〔更新日:2013年09月01日〕