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chapter42 福岡県の医療事情 その4・看護師数

知ってた?福岡・九州

第42回

chapter42 福岡県の医療事情 その4・看護師数

『知ってた?福岡』では、福岡県の医療事情を探っています。

第4回のテーマは「看護師数」。

 

病院や介護施設などで細かいケアをしてくれる看護師さん。看護師は国または県による資格試験合格者のみが従事 できる業務です。 医療・看護などの現場で、医師等が患者を診療する際の補助、病気や障害を持つ人々の日常生活における援助、疾病の予防や健康の維持増進を目的とした教育の 3つの行為を行います。

 

日本には看護師と准看護師の2つの資格があります。平成20年の時点でその両者合計で約116万人強が看護職に就業しており、全国平均で人口10万人に対して913人の看護師が従事しています。

 

それでは福岡県では人口10万人に対して看護師数はどのくらいでしょうか?

全国平均よりも多いと思いますか?少ないと思いますか?

 

そこで、今回の『知ってた?福岡』は

 

~ 福岡県の医療事情 その4・看護師数 ~

 

と題して、都道府県別の一人当たりの看護師数(平成20年)を紹介したいと思います。

都道府県別 平均在院日数
  人口10万対比看護師・
准看護師実数
  全国計 913 1,163,393
1 高  知 1,448 11,732
2 鹿 児 島 1,446 25,726
3 宮  崎 1,412 16,478
4 熊  本 1,396 25,930
5 長  崎 1,360 20,500
6 徳  島 1,356 11,115
7 佐  賀 1,332 11,643
8 大  分 1,284 15,652
9 島  根 1,278 9,673
10 愛  媛 1,265 18,804
11 山  口 1,238 18,795
12 福  岡 1,213 61,151
13 香  川 1,177 12,019
14 岡  山 1,165 22,742
15 広  島 1,147 33,000
16 鳥  取 1,144 7,001
17 石  川 1,134 13,382
18 北 海 道 1,125 63,784
19 福  井 1,102 9,125
20 富  山 1,091 12,204
21 青  森 1,061 15,579
22 岩  手 1,053 14,819
23 和 歌 山 1,037 10,998
24 秋  田 1,028 12,091
25 沖  縄 991 13,273
26 福  島 989 20,970
27 京  都 973 25,699
28 山  形 965 11,917
29 新  潟 935 23,056
30 長  野 911 20,206
31 大  阪 878 77,386
32 山  梨 876 7,788
33 兵  庫 865 48,248
34 宮  城 853 20,216
35 栃  木 853 17,135
36 三  重 843 15,683
37 岐  阜 831 17,539
38 滋  賀 831 11,291
39 群  馬 794 18,937
40 愛  知 787 56,044
41 奈  良 764 10,987
42 静  岡 754 28,548
43 東  京 742 90,715
44 茨  城 724 21,657
45 神 奈 川 621 53,583
46 千  葉 611 36,647
47 埼  玉 599 41,925
出典:『平成20年度 看護統計資料集』日本看護協会出版会編集

人口10万人あたりの看護師数は中国・四国・九州が高く、関東・東海が低い

平成20年度において、もっとも人口10万人あたりの看護師数が多いのは高知県で1,448人、第2位は鹿児島県で1,446人、第3位は宮崎県で1,412人でした。

 

一方、最も人口10万人あたりの看護師数が少ないのは、埼玉県で599人、続いて千葉県611人、神奈川県が621人でした。

 

最も多い高知県と最も少ない埼玉県とでは、約800人以上もの差があり医療における看護の水準への差が懸念されます。

 

このランキングを見て明らかなことは、中国、四国、九州など西日本の地方は相対的に人口10万人あたりの看護師数が多いことです。また、それと対照的に関東圏と東海圏は少なくなっています。

 

上位16位までを沖縄県を除く中国・四国・九州16県で全て占めているのですから、かなり地域的な特徴になっていると言えます。前々回の『知ってた?福岡』で取り上げた「福岡県の一人当たりの医療費  (http://www.empire-mansion.com/fukuoka/40/index.php)でも同じような傾向が見られますが、これはやはり高齢者の占める割合が高い中国・四国・九州はと、若年者・勤労世代の多い関東圏・東海圏という地域的な要因によるものなのでしょう。


福岡県は12位。看護師の確保や離職防止については課題山積

福岡県人口10万人当たりの看護師数は1,213人で、第12位でした。看護師の実数では61,151人で、この人数は東京、大阪、北海道に次ぐ第4位でも あります。ということは、福岡県は看護師の人数自体は全国的に見ても多いほうですが、県民の人口も多いので人口10万人当たりの看護師数では高知県や鹿児 島県などの他県よりも順位が下がっています。とはいえ、それでも全国平均913人を300人も上回り、順位も12位なので相対的には人口当たりの数も多い ほうなのではないかと考えられます。

 

ただし、数値に見えない課題や問題点が山積している現実もあります。

 

その一つは医療施設側における看護師の確保についてです。

 

福岡県内の看護師らで組織する「福岡ナースウエーブの会」が2007年8月に行った調査によると福岡県内の62%の医療施設が看護師の確保について「難しい」と回答しているそうです。

 

これは特に、2006年に改定された診療報酬で「7対1看護(患者7人に看護師1人を配置)」が導入され たことが大きく影響しているようです。7対1看護は充実した看護が実施できるのですが、実際には看護師の母数が足りないと指摘されているようです。そのた め「看護師が大病院に就職する傾向がある」・「明らかに看護師確保が難しくなった」という医療施設の声が上がっています。

 

また、働く看護師の側における離職防止も課題の一つです。

 

看護師の年齢は20代が最も多く、その他は年代が上がるに連れて減少傾向にあります。これは子育て中の看護師は離職せざるを得ない状況があることを物語っています。

 

その一方で、さきほどの「福岡ナースウエーブの会」によると新人看護師は業務に関しては能力不足・業務量 の多さ、医療事故への不安などで、84%の看護師が一度は辞めたいと考えたことがあるそうです。まだ経験の浅い新人や20代の看護師には離職を防ぐ対策と して、看護教育の充実を図っていくことも必要と考えられます。

 

このような看護師の確保・離職防止のために、あるところでは子育て中の看護師には勤務時間に配慮したり、認定看護師取得などのキャリアアップを図るといった取り組みも行われています。

 

医療施設・看護師・国、そして看護を受ける私たちも含めて、看護を充実させるために、何が必要で、そのためには何を取捨選択するのかを考えて実行する問題なのだと思います。

〔更新日:2012年06月01日〕

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