chapter17 博多の夜は長い?
「博多の夜は長い」とよく言われています。
食事を済ませたあとにお酒を飲む店がたくさんあるからです。福岡には全国的に有名な歓楽街の中洲がありますし、天神や今泉にも中洲とは異なった雰囲気の飲み屋があります。
週末になると料理屋で食事をし、次は居酒屋で飲み直し、その後でスナックやバーでゆっくりと飲んで、しめに屋台で飲んで…と次々にはしごする人も少なくないようです。
そこで、今回の『知ってた?福岡」では、
「博多の夜は長い?」
と題して、日本の13大都市における、人口1万人あたりの深夜酒類提供飲食店の軒数をランキングしました。 深夜酒類提供飲食店とは風俗営業法33条で規定されている「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出数を対象としています。
深夜酒類提供飲食店というとちょっと長々しいので、ここでは「深夜の酒場」と称することにします。さて、福岡は「深夜の酒場」が多いのでしょうか?
深夜の酒場ランキング
出典:大都市比較統計年表(平成16年)福岡は「深夜の酒場」が多い!!
「深夜の酒場」(=深夜酒類提供飲食店)というのは、深夜0時以降も営業するバーやスナック、小料理屋のことです。 ただし、店のママやホステスがお客さんの隣について、談笑したりお酒を注ぐ接待はできません。 バーやカウンターの奥にバーテンダーやママがいて、カウンター越しにお客様と接しているお店のことを指します。
「深夜の酒場」の絶対数でいえば、やはり東京がずば抜けています。しかし、それを人口比で見ると、
北九州市についで福岡市は第2位!北九州市も福岡市もどちらも福岡県。
全国的に見て、福岡県の「深夜の酒場」の1万人当たりの軒数はトップレベルだと言えます。
福岡は居心地の良いバーが豊富

福岡市の「深夜の酒場」の特徴を見てみると、バーが割りと多いそうです。
「博多学」(岩中祥史著)によると、北九州市や広島市では「深夜の酒場」ではスナックが大部分を占めるそうです。その一方、神戸市や福岡市ではバーが比較的多いそうです。
いま流行りのカフェバーやホステスがつくクラブ風のバーとは異なる、一枚板のカウンターにきりっとした男性のバーテンダーがいるオーソドックスなバーが、福岡市には多いらしいのです。
「博多学」の著者の岩中氏は、福岡では食事を済ませた後に、バーに入ると、飲みたいと思っているお酒をドンぴしゃりで出す確率が高く、 福岡のバーテンダーは相当レベルが高いと絶賛しています。

また、福岡のバーは中洲から天神、大名、今泉、薬院あたりの一定エリアに密集しています。
どれも天神橋口の交差点を中心に半径1km以内に収まっており、
端から端までタクシーで乗っても1,000円程度。
それが福岡のバーに対するインパクトを強めているのかもしれないと推測しています。
その一方で、中洲と大名、今泉などとは大きく雰囲気が異なり、その街を利用する客層もだいぶ異なります。 サラリーマンが接待をするなら中洲、大人の仲間内だけで気軽に利用するなら天神の西通りあたり、若い人たちが行くなら今泉、大名など。
福岡のバーはさまざまなお客さんに合わせた雰囲気のお店がそろっているともいえます。
レベルの高いバーテンダーがいること、お客さんのスタイルに合ったお店がいろいろあること、
それが福岡は洗練された居心地のよいバーが多い理由なのかもしれません。
たまには居心地のよいバーでゆっくりと大人の時間を過ごすのもよいですね。
「博多の夜は長い」のですから。
〔更新日:2010年05月01日〕