建築構造の基礎
地盤と一体となった強い基礎をつくる。
地盤と一体となった強い基礎が建物づくりの第一歩です
この10年あまりで大きな地震や台風による土砂崩れなどが各地で起こり、「地盤」ということばが身近なものになりました。 建物を設計する際には、まずはじめに地盤調査を行い、支持地盤に応じた基礎を設計することになります。地盤の強さを示すのに「N値」という数字が使われます。これはある深さを掘るためにおもりを上から落下させた回数を表わすもので、数字が大きいほど硬い地盤ということになります。地層は地球の数億年という歴史の中で変化したものですが、同じ地盤は二度とないといわれるくらい、地面の下は変化に富んだものだそうです。
地表近くに建物を支えることができる強固な地層がある場合は「直接基礎」を、地中深くに支持層がある場合は杭を地中に築いて建物を支える「杭基礎」を使います。
基礎は建物そのものの重さ(自重)に耐え、自重を地盤にしっかり伝える役割があります。基礎の計画には地盤の強さ(地耐力)と自重が要素となります。一般には、床面積1㎡当たり、鉄骨造の建物であれば約600㎏程度の重さが地面に伝わっています。鉄筋コンクリート造などは、床面積1㎡当たり1.5トンもの重さになっています。
鉄筋とコンクリートは、お互いの弱点を補い合って長所を存分に発揮するとても相性のいい組み合わせです
圧縮力に強いが、引っ張り力に弱く ひび割れを起こしてしまう
引っ張り力に強いが、圧縮力を受けると簡単に曲がってしまう
- 圧縮力に強いコンクリートは鉄筋を包み込んでガードし、引っ張り力のある鉄筋はひび割れを起こしやすいコンクリートを内部でしっかりサポート。 互いの弱点を補強し合い優れた耐震性を発揮
- コンクリートは耐火性に優れているので、熱によって強度が低下する鉄を 覆って火から守る
- アルカリ性のコンクリートは、酸化によって起きる鉄筋のサビを防ぐ
※セメントやコンクリートは、建築資材として日常的に使われる名前ですが、そもそもどういうものなのでしょう。
セメント=クリンカ(石灰石と粘土を混ぜて焼いたもの)+石膏
セメントペースト=セメント+水
モルタル=セメント+水+細骨材(砂)
コンクリート=セメント+水+細骨材(砂)+粗骨材(砂利)
鉄筋コンクリート構造(RC構造)
鉄筋を縦横、立法的な形や格子に組んで、その周りにコンクリートを流し込んでいきます。耐震、耐火、耐久性に優れており、自由な形状の設計ができます。
鉄筋コンクリート構造(SRC構造)
鉄骨で柱や梁の骨組を組み、その周りに鉄筋を縦横、立法的な形や格子に組んで、その周りにコンクリートを流し込んでいきます。耐震、耐火、耐久性に優れており、自由な形状の設計ができます。
※SRCはSteel Reinforced Concreteの略。Reinforcedは「補強する」の意
RC構造やSRC構造で柱と梁により一体化した構造のことです。中高層マンション等で用いられることが多く、比較的大きな部屋を造ることができます。
※「ラーメン」は、ドイツ語のRahmen(枠)に由来しています
つりあいよく配置した壁で箱をつくり、建物を支える仕組みです。柱や梁が出ないので家具などを収めやすくなりますが、一定の壁量を必要とするので窓や出入り口の大きさや位置など開口部のとり方に制限があります。