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住みよい街にはワケがある

福岡の街の『住みよさ』

福岡の街の『住みよさ』のポイントを、いろいろな視点から取り上げ、そのポイントが高いと思われる地域を、4回のシリーズとしてひとつずつ紹介していきます。
歴史の面影を感じる街
Vol.3福岡市博多区〜櫛田神社・東長寺・聖福寺
平安・中世からの情緒を今に伝えながら、博多部を見守り続ける寺社

福岡は古代から日本の歴史に深く関わっている地域ですが、太宰府が平安時代までの古代の福岡の歴史の中心地だとすれば、その後の福岡の歴史の中心地は博多部の町だと言えます。


博多部とは、主に博多区の那珂川と御笠川に挟まれた地域で、今で言うと博多祇園山笠の流があるあたり。戦国・江戸時代に町人街として栄えました。博多は古くから遣唐使の出港する港でしたが、平安中期ごろ鎌倉時代にかけて日宋貿易で多くの商人や僧が行き来をし、さまざまな物品や文化がもたらされ、博多の町は大きく発展しました。


そんな博多の町がどんどん大きくなっていく時期に、博多の町を守ったり、唐や宋などの新しい教えを広める最初の拠点とするために、様々な寺社が建てられました。




博多祇園山笠で有名。厳かだけど親しみを感じる櫛田神社

福岡市の総鎮守として古い歴史を持つ神社といえば櫛田神社です。


櫛田神社といえば博多の三大祭り「博多祇園山笠」の祭事を行うことでとっても有名な神社。社伝によると、櫛田神社が勧請されたのは天平宝字元年(757年)といわれています。ただ、戦国時代に戦火で荒廃したため、豊臣秀吉が九州平定を行った後、天正15年(1587年)博多の復興と同時に現在の社殿が造営されたそうです。


正門の前に立つと木造の大きな楼門があり、そこに掲げられている迫力のある扁額には「稜威(いつ)」と書かれています。天子・天皇の御威光という意味なのだそう。 その下には大きな提灯がぶら下がっています。門を額に見立てて奥につながる参道、そこを歩く人、そしてさらに奥の本殿を眺めると、まるで1枚の風情のある絵のようです。


境内にはいたるところに博多祇園山笠を彷彿とさせるものがあります。毎年7月しか見ることのできない博多祇園山笠の飾り山がここでは年中展示されているし、お手水鉢に山を舁く男たちのレリーフが施してあったり、本殿の裏に法被に鉢巻姿のかわいい小便小僧があったり。


歴史が深く厳かな雰囲気がありながらも、なんとなく親しみを感じるのは、そういうものがあるからかな、と思いました。地元の人には「お櫛田さん」と呼ばれるこの櫛田神社って、本当に情緒あふれる神社だと思います。




櫛田神社の正門。情緒が感じられます

 

博多祇園山笠の飾り山。境内に年中展示されています。改めて大きさにびっくりします。


法被・鉢巻姿の小便小僧。かわいい!

 

舁き山のレリーフがあるお手水鉢





弘法大師空海が開いた、日本最古の真言宗の寺、東長寺

櫛田神社から大博通りを越えたところには大きなお寺があります。


それは東長寺。この寺は遣唐使として唐に渡った弘法大師空海が、大同元年806年に建立した日本最古の真言宗のお寺なのです。まさか弘法大師が直接開いたお寺が、しかも日本最古の真言宗のお寺が、福岡にあるなんて意外ですよね。


ただ、東長寺も戦火のために焼け落ちて荒廃していたため、江戸時代に福岡藩の第2代藩主黒田忠之が再建し、黒田家の菩提寺となりました。


東長寺の本堂はさらに再建されたもののようですが、大きくてとても立派。京都や奈良にあるような造りで、本堂前の長い廊下では腰を下ろし、ちょっと一休みする人も見かけます。


また、東長寺には福岡大仏と呼ばれる仏像があります。この仏像、実は木造坐像では日本一の大きさなんです!仏像の高さは10.8m、重さは30トン、光背の高さ16.1m。見事な彫刻で、金色に輝いています。静かに坐する大仏の威容は心が引き締まる思いがします。この大仏を拝むために、日本だけでなく、中国や韓国からの観光客も多く、真剣に真言を唱える人も少なくありません。

この福岡大仏は、嬉しいことに拝観料は無料。博多駅近辺にきたら、一度は立ち寄っておきたいところです。




東長寺の本堂。広くて大きくて、まるで京都や奈良のお寺のようです。

 

東長寺の境内。周囲に高層ビルが建ち並ぶ中、どっしりと博多の地にどっしりと根付いている感じがします


六角堂。天保13年(1842)に建立し たもので弘法大師像ほか5体の仏像が置かれています。普段は閉じている扉が、毎月28日に開帳され ます。

 

東長寺にある福岡大仏。木造坐仏像としては日本一の大きさ。(写真は看板より)





栄西が開いた日本最古の臨済宗の寺、聖福寺

東長寺の北東部にすぐ隣接しているお寺があります。聖福寺です。


聖福寺は臨済宗の日本最古のお寺なのです。臨済宗と言えば鎌倉仏教の一つで、開祖はお茶を日本にもたらしたことでも有名な栄西。この栄西が宋からの帰国後の建久6年(1195年)に聖福寺を創建しました。


江戸時代には「仙崖さん」と呼ばれて親しまれている仙豪`梵が住職になり、ほんわかとした雰囲気の禅画で文人たちの間で有名になりました。


聖福寺は、典型的な禅寺の伽藍(寺院の主要建物群の配置)になっており、全域が国の史跡として指定されています。再建されたものもありますが、古い建造物も多く残っており、歴史を経た風情の木造建築物と木々の緑とが、わびさびの情緒をかもし出しています。静かな境内を散策していると、自然と心が穏やかになってくるのが分かります。


聖福寺では年中行事のほかにも写経や、仙崖さんにちなんだイベントも行っているので、参加してみると、またひとつ違った聖福寺の一面が見えてくると思います。




聖福寺の山門。慶応2年に焼失したものを明治44年に再建。  

仏殿の内部に祀られている阿弥陀仏像。三世仏の一つで、今後二仏も修復されてから祀られる予定だそうです。


聖福寺の境内。木々が茂り、落ち着いた色合いの木造建造物との調和がすばらしい。博多都心部であることを忘れそうになります。

 

聖福寺の前の御供所通り。かつてはこの通りがメインストリートでにぎわいました。山笠を間近で見られるスポットでもあります





博多部にはまだまだ他にも多くの寺社があります。これらの寺社は度重なる戦火で一度は荒廃したり、建物が失ったりしたこともありますが、今なお当時の歴史を伝え、町に情緒を残しています。


寺社はわりと密集しているので、徒歩で巡り歩くのにちょうどよさそうです。歴史の勉強などと気負わず、町の雰囲気や寺社の情緒を感じに散策してみてはいかがでしょうか。



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