名水のある街というと、清流のそばや山あいの湧水地をイメージしますね。ところが、福岡市内で、それも市街地に程近いところに「日本名水100選」にも選出された有名な名水があるんです。それは、福岡市東区の香椎宮境内にある湧水「不老水」です。
「日本の名水100選」は、昭和60年に全国各地の湧水や河川の中から選ばれた100ヵ所の名水です。名水というと、そのままで飲用できる美味しい水と思いがちですが、「日本の名水100選」では、ある程度の水量を有するきれいな水で、水質保全のために地域や自治体などの配慮が払われているもの、かつ、いわゆる「名水」としての故事由来を持つものを選出したのだそうです。
さて、その「日本の名水100選」の一つ「不老水」ですが、これは文字のごとく「不老に効く水」です。この水のいわれは、「日本書紀」「古事記」の時代に天皇に仕えた武内宿禰(たけうちのすくね)という大臣が天皇や自分自身の食事や酒造りにこの水を使ったことに起因しています。武内宿禰は長寿で有名な人物で、その寿命は300歳を超えていたとか!?その長寿の源となったのがこの水の効き目といわれており、それ以来「不老水」と呼ばれ、長い歴史を経て大切に利用されてきたそうです。
この不老水があるのは香椎宮の境内なのですが、境内と言っても飛び地になっており、本殿からいったん外へ出て300mほど行ったところになっています。香椎宮の本殿の右手へ行くと細い裏参道に出ます。そこに不老水の案内地図の看板があります。裏参道を抜けると古宮があり、その左側の一般住宅街を約7〜8分ほど歩くと、不老水神社の入り口が見えます。
不老水神社は小さくてひっそりとしたたたずまい。そばに大きな神木が茂り、湧水地のためか参道に水がしたたり、周辺の住宅地と異なった神聖な雰囲気が漂っています。神社の奥に小さな祠があり、そこの木戸を開けるとかまどに使う木の蓋で覆われた小さな井戸があります。蓋を開けてみると、透き通って綺麗な水が井戸の半分くらいまで湧いていました。祠の中にひしゃくがあるので、それで井戸の水を汲んで持ち帰ることができます。
ただし、近年湧水量が減ってきたため、持ち帰れる水の量は約2リットルとなっており、また、水を汲める時間も午前10時〜午後3時までと時間制限があるので、くれぐれも決まりを守るようにしましょう。水は基本的に無料ですが、祠のそばにお賽銭箱があるのでお礼の気持ちばかりでいいのでお賽銭もしておきたいですね。
なお、水の飲用に際しては念のため煮沸してください、との注意書きがありました。とても澄んでて無味無臭の綺麗な水ですが、念のためということだそうです。
お料理やお茶などの飲み物としてこの不老水をいただき、300歳までとは言いませんが長寿を得た武内宿禰のご利益にあずかりたいものですね。
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